新型コロナウイルス【COVID-19】に備えた消費財の持ち方
情報網の普及に伴い順調に需給変動に対する柔軟性を増してきた日本のサプライチェーンですが、東北大震災があった2011年以来の消費財の大規模な在庫切れが起きつつあります。原因は、やはり新型コロナウイルス【COVID-19】の影響です。
中国をはじめとするこの新型コロナウイルス【COVID-19】は、当初中国内の問題とみられていました。しかし日本でも感染者が確認されパンデミックの恐怖が国内に広がっています。
対岸の火事が自分事として認識され始めており、中国と同様に日本国内でもマスクやせっけんなど消費財の在庫切れが相次いでいます。そしてこの波は育児に必要なおむつや粉ミルクにも押し寄せる可能性があると思われます。これらが手に入らないと育児が回らなくなるので備蓄計画を練る意味は十分にあるでしょう。
在庫切れのロジック
在庫切れが発生するロジックは単純で、需要が供給スピードを上回り供給網上の在庫も尽きると在庫切れになります。まず供給について、サプライチェーンを念頭にみていきます。
私たち消費者は多くの場合コンビニやスーパーマーケットなど小売店でモノを購入しますが、普段目にすることのない流通の上流でいくつかのプレーヤーが関わっています。多くの場合、プレーヤーは原材料供給者・製造社(メーカー)・保管会社・卸会社・小売で構成され、それぞれの間を運送業者が繋いでいます。
非常時にはこれらプレーヤーが機能を喪失しサプライチェーン上の物流がストップすることになります。厄介なのが、どれか1つでもプレーヤーが機能を喪失すると一連の物流まで停止することです。今回のパンデミック恐慌状況下ではどのプレーヤーが機能停止に陥ってもおかしくありませんし、現在のところ感染収束の見込みもたっていないため一旦在庫切れしてしまうと店頭在庫回復の見通しはつきません。ですので赤ちゃんの必需品であるマスクや粉ミルクなどの家庭内在庫を切らしてしまうことはあってはならないのです。
備蓄量は流通在庫量から考える
とはいえ家の収納スペースや消費期限の制約がありますから無尽蔵に備蓄するというわけにはいかないと思います。そこでどのくらいの量を備蓄すればよいか目星をつけていきます。今回は既にトヨタや日産自動車などで機能喪失が起き始めている製造工程がストップした場合を考えます。このとき重要な指標が流通在庫量です。
流通在庫とは、すでに製造され流通経路に乗った在庫を指します。製造がストップすると、私たち消費者が手に入れられる店頭まで届くのは当面の間この流通在庫だけになります。ですから備蓄する量の目星をつけるときは流通在庫量を把握しておくことが大切なのです。
肝心の消費財の流通在庫量はどの程度か、経済産業省のデータをみていきます。製造社にあたるメーカーから小売り店頭まで、消費財が分類される日用雑貨は計3~5カ月の在庫日数です。一般的に在庫日数≒需要日数ですから流通在庫も3~5カ月と推測されます。つまり、製造がストップしても3~5カ月はモノを手に入れられる計算ですが、買占め合戦が始まると需要が旺盛になるため入手できる期間はせいぜい1~2カ月でしょう。この間に製造が再開されなければ、備蓄を持たない人達はひどい目にあうことになります。もしもミルクやおむつを切らしてしまうと赤ちゃんの大泣きを浴び続け疲労困憊するばかりか、赤ちゃんの生命も危険に晒されます。このような事態は避けねばなりません。
必要な備蓄量を計算する
必要な備蓄量は
「(製造再開までにかかる期間) - (入手できる期間) + (店頭に配送されるまでの期間)」
で計算します。
仮に製造再開まで5カ月、店頭であと1カ月は入手でき、製造社から店頭までの配送期間が0.2カ月とすると、
「(5カ月) - (1カ月) + (0.2カ月) = (4.2カ月)」
ぶんを持っておけばよいのです。
この数値を正確に予測することは難しいですが、私は粉ミルクとおむつの製造再開まで2カ月、店頭入手可能はあと1カ月、店頭に配送されるまで0.5カ月と見込み、1.5カ月分を備蓄しサプライチェーンの停止に備えています。親として子が困らないよう備えておきたいですね。
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非常事態を事前に察知できるよう育児の責任感は保っておきたいですね。育児は心身を消耗するので忘れがちになります。
ルーティンタスクの負担を減らし心に余裕を持つことも大切です。
親御さん達が余裕をもって子育てできますように。
らぼぺん