らぼぺんのゆとり育児

育児を楽にする工夫。生物学・家電マーケターの視点から。変わった育児研究ブログ。

運動神経を効率よく鍛える

 運動神経を効率よく鍛える

  運動が得意な子に育ってほしい。多くの親御さんの願いと思います。そこでいつから運動神経を鍛えると良いか最新のデータを踏まえ紹介します。

『運動神経は幼少期に形成される』という考え

 「神経系の80%が5歳までに発達する」という説が広まっています。アメリカの医学者スキャモンさんが提唱した発達・発育曲線により一躍有名になった考え方ですね。幼少から運動する大切さを示した医学史にのこる研究結果です。メッセージ性が強く頻繁に引用されていますが落とし穴が隠れています。

スキャモンの発達・発育曲線

スキャモンの発達・発育曲線

スキャモンの発達・発育曲線の課題

 引用には、"されればされるほど情報が欠落する"という性質があります。スキャモン曲線を引用した記事の大半でも論文が書かれた年代の情報が抜け落ちています。医学や生物学は発展著しい分野でそれまで正しいとされていたことが実は事実と違ったという発見が頻繁に起きています。ですから時期情報の欠落は誤解を招きやすく危険です。子育てはやり直しできないのでより信憑性が高い≒新しい情報に基づくべきです。

 

 スキャモンの曲線は1930年に発表されました。およそ90年も昔の研究結果ですから知識をアップデートする必要があります。

Scammon, R. E., The measurement of the body in childhood. In
Harris, J, A., Jackson., C, M., Paterson, D, G. and Scammon, R,
E. (Eds). (1930). The Measurement of Man, Univ. of
Minnesota Press, Minneapolis.

  

実は1歳までが勝負

  スキャモンの曲線では神経の80%が形成されるのは5歳までとされていました。しかし近年の研究では1歳までと示されています。実は5歳には神経はほぼ完成しており成長余地は少ないのです。

 

新旧 発達・発育曲線

新旧 発達・発育曲線

Fujii Katsunori-san,「Scammonの発育曲線の検証と身体機能発達曲線モデルへの展開」,2017

 

 

 多くのスポーツ教室が5歳から効率良く運動神経を鍛えようと宣伝していますが遅すぎますね。運動が得意になってほしいと願われるならお子さんの首が座ってすぐ運動を始めることをおすすめします。ただし怪我の無いよう見守ってあげてください。

 

関連記事です。

怪我を防ぐため親御さんの集中力も大事です。効率良い睡眠で健康を維持しましょう。

www.yutoriikuji.com

 

親御さん達が余裕をもって子育てできますように。


らぼぺん