らぼぺんのゆとり育児

育児を楽にする工夫。生物学・家電マーケターの視点から。変わった育児研究ブログ。

柔軟な思考力を育む方法

教育で悩む親御さんは多い

 多くの親御さんが子どもの教育に不安を感じているようです。そこで今回は子の柔軟な思考を育むコツを書いていきます。

教育に不安を持つ割合

教育に不安を持つ割合

 思考力獲得の道筋 

 まず思考力が養われる過程を把握しましょう。思考力は3つの工程を経て獲得されます。まずは皮膚感覚というか身体で体験し、続いてモノを介して具体的に考え、最後に事例の共通点を抽出する抽象化の順序で思考力は鍛えらていきます。

 

<思考力獲得の道筋>

①身体的感覚

②具体思考

③抽象思考(記号や略図などシンボル化)

 

 このうち①と②はとにかく経験の数が大切です。様々な経験を積める環境を作ってあげてください。③については、②から移行するタイミングが非常に重要です。

抽象思考を鍛えるのは9歳まで待つ

 近年の脳科学の研究では、③抽象思考を鍛え始めるのは9歳まで待ったほうが良いとされています。その理由を詳しく見ていきます。

 

思考が柔軟な人は遅咲き

 まず思考が柔軟な人の脳はどのように育ってきたのか、事実から見ていきます。奇妙なことに、思考が柔軟な人たちの思考活性のピークは平均的な人たちより遅く12歳で訪れています。理由は、適切な年齢(9歳)を迎えてから抽象思考に注力し始めたからです。

 

脳の活性と年齢の関係

脳の活性と年齢の関係

脳の大切な3つの性質

 なぜ抽象思考のトレーニングの開始は9歳まで待つべきなのでしょうか。

 

 脳には「思考回路の形成に掛けられるエネルギー総量は決まっている」という性質があります。そしてその量は長い人生を通して掛け続けられるほどは無いのです。ですから思考力を高める=思考回路を形成するには、効率良く回路が形成される時期を見定めエネルギーを集中することが大切です。

 

 また、脳には「具体的な事例の知見を蓄積してからのほうが効率良く抽象化の思考回路をつくれる」しかし「12歳を過ぎると思考回路の発達がほぼ停止する」という特徴もあります。

 

 具体事例を沢山溜めてから、回路の発達が閉じるまでの短期間に一気にエネルギーをかけ抽象化に励むのが効率良く回路を形成するコツです。そのベストな転換期が9歳なのです。

思考回路の発達

思考回路の発達

 

思考回路の形成イメージ

思考回路の形成イメージ

 

まとめ

 大切なのは身体感覚と具体事象を磨く経験を増やすこと、そして9歳を迎えてから抽象思考に移ることです。なお抽象思考力を鍛える最良の方法は良質の算数文章問題を絵図で解く・工夫することとされています。適切な教育方法でお子さんの成長を助けてあげてください。

思考力獲得の道筋

思考力獲得の道筋

関連記事です。

 

抽象思考に移るまでは運動で遊んであげてください。発達効率の良い年齢が早く訪れます。

www.yutoriikuji.com

 

親御さん達が余裕をもって子育てできますように。


らぼぺん